個体管理には十分ご留意を!

親子関係について、矛盾が出ましたので今後の参考になればと考えて状況を説明します。
今回、ある方から複数の牛について申し込みがあり、その中で、最近生まれた雌子牛とその母牛という組み合わせが幾つかありました。

当方から家畜改良事業団へ毛根等を送ってから暫くした後、2組の母子について母子関係に矛盾があるとの連絡がありました。内容としては、その2組の母子を入れ替えると矛盾は解消されるが、毛根を採取した時の間違いも否定できないため、再度毛根を送ってほしいとの依頼でした。

それを受けて申し込んだ方に連絡して再度毛根を送ってもらい再検査したところ、毛根を採取した時の間違いではなく、申込者の勘違いで、分娩届記載の母子が間違っていることが判明しました。幸いにも子牛検査前でしたので、分娩届の訂正で事なきを得ましたが、仮にゲノミック評価を申し込まずにいたら、間違ったままの血統で子牛登記証明書が発行され、そのまま子牛セリに出ていたかもしれません。

今回、家畜改良事業団では、血統の正確性を期すために、さらに念入りに調査してくれました。血統の正確性は、ゲノミック評価をする上で避けて通れない問題ではありますが、ここまで調べてくれた家畜改良事業団には感謝したいと思います。

いずれにしても、当たり前のことですが、このようなことがないように、日頃から母子の管理については慎重にお願いしたいと思います。

改めて、ゲノミック評価が、その評価のみならず大いに役に立ったという事例として紹介させてもらいました。

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