協議会概要

目次

和牛ゲノミック評価活用協議会について

概要

名称和牛ゲノミック評価活用協議会
所在地〒899-2504
鹿児島県日置市伊集院町郡2042-40
受付時間平日 9:00 ~ 17:00
電話番号099-201-3045
メールアドレスinfo@wagyu-genomic.kagoshima.jp

協議会の目的

鹿児島県では、県肉用牛改良研究所が種雄牛選抜の指標の一つとしてゲノミック評価を活用していますが、これまで農家の皆様が手軽に利用できる環境は整っていませんでした。

その中で、家畜改良事業団が実施するゲノミック評価を活用したいという一般農家の方々からの要望が増加してきました。これに応える形で、皆様が自身の牛の能力を把握し、生まれた子牛の選抜や保留の判断に役立ててもらうため、「和牛ゲノミック評価活用協議会」を設置するに至りました。

なお,当協議会は,県肉用牛改良研究所と家畜改良事業団が実施している共同研究(肉用牛における新たな経済形質のゲノミック評価に関する研究)における研究協力者となっております。

県肉用牛改良研究所と家畜改良事業団が実施するゲノミック評価に係る共同研究の目的に限り,県肉用牛改良研究所及び共同研究の研究協力者の公的研究機関(大学等)に、家畜改良事業団から直接データを提供いたしますので、この点も含めまして当協議会の業務にご理解とご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。

業務内容

当協議会の業務内容としましては以下の通りです。

  • 評価申込者の依頼に基づき、試料(毛根等)送付用袋を検査申込者へ送付
  • 評価申込者より窓口へ送付された試料の確認と登記・登録証明書類との照合
  • 同じく送付された登記・登録証明書類による家畜改良事業団への申込データ作成
  • 家畜改良事業団へ申込データと試料、登記・登録証明書類の送付
  • 試料の不具合等や親子判定矛盾の場合の対応と助言
  • 評価に係る料金の徴収と家畜改良事業団への送付
  • 家畜改良事業団等より窓口に送付されたゲノミック評価成績報告書の照合と確認
  • 同報告書の評価申込者への送付

また、評価申込者様のご要望があれば、必要に応じて専門家の助言を頂きながら、ゲノミック評価活用方法のアドバイスができればと考えています。

それから、もっともご留意いただきたいのは、いくらゲノミック評価が高くても、牛の表現型(体型)は大事であるということです。

例えば、発育に代表される牛の大きさや、足腰の強さ、肩の状態(付着)などは、とても重要な要素です。したがって、選抜や保留を検討する際は、ゲノミック評価だけでなく、体型等も含めて総合的にご判断下さるようお願い申し上げます。

併せて、ゲノミック評価(育種価)については、ゲノミック評価成績書に育種価の数値が記載され、H、A、B、C、Dの区分も表示されますが、本県で表示されている育種価とゲノミック育種価は、単純に比較できませんので、十分にご留意ください。

ゲノミック評価の正確性の検証

鹿児島県の和牛は、飼養頭数の多さだけでなく、その能力についても、第11回並びに第12回全国和牛能力共進会において、連続で日本一を獲得しており、質・量ともに優れていると言っても過言ではありません。
特に、産肉能力(枝肉6形質)については、平成3年からスタートした公益社団法人全国和牛登録協会による育種価評価事業に、いち早く生産農家、肥育農家の皆さんをはじめ、関係者一丸となって取り組んだことにより改良が図られ、その能力がかなり向上しました。

既に、子牛登記証明書や登録証明書に表示されている産肉能力(枝肉6形質)の育種価は、先述の全国和牛登録協会の育種価評価(アニマルモデル)事業において算出された数値に基づいて、A・B・Cで表示されており、同じく子牛セリ市名簿に表示されている産肉能力の期待育種価は、協議によって、A・B・H等で表示されています。
これらの育種価は、約30年以上にわたってデータを収集して求められたものであり、何ら問題があるものではなく、現在でも優れた評価値です。
他方、最近では、ゲノミック評価についても、データを収集しながら、正確性が検証されており、他県においては生産現場で積極的に活用されている状況もあります。
さらに、ゲノミック評価は産肉能力(枝肉6形質)だけでなく、脂肪酸組成(МUFA割合・オレイン酸割合)や発育関連形質にも対応できるようになってきています。

データの収集

鹿児島県では、脂肪酸組成2形質に関するデータは収集されているものの、産肉能力の育種価よりも、判明率(育種価が判明している頭数を現存している頭数で除したもの)がやや低い状況(現時点ではのМUFA育種価のみ)にあります。発育関連についてはデータが収集されていません。

しかし、生時体重の遺伝的な能力の把握は、難産の予防(小さく生ませて、大きく育てると言われてきました)に、在胎日数の把握は分娩間隔の短縮に、日齢枝肉重量は、肥育期間短縮の検討のために参考になるものと言われています。また、検査申込時にゲノミック評価の正確性を期すため、正式な証明書は発行されませんが、申込牛と申込牛の父牛との親子の確認が行われます。

ゲノミック評価の概要

雌のゲノミック評価の概要

1.ゲノミック評価を実施する機関

一般社団法人家畜改良事業団

2.ゲノミック評価対象形質

  1. 枝肉6形質
    枝肉重量・ロース芯面積・バラ厚・皮下脂肪厚・歩留基準値・脂肪交雑
  2. 脂肪酸組成2形質
    MUFA割合・オレイン酸割合
  3. 発育関連3形質
    生時体重・在胎期間・日齢枝肉重量

3.検査の種類

  • 枝肉6形質のみ
  • 枝肉6形質及び脂肪酸組成2形質
  • 枝肉6形質及び発育関連3形質
  • 枝肉6形質及び脂肪酸組成2形質及び発育関連3形質
  • 脂肪酸組成2形質及び発育関連3形質(枝肉6形質評価済みに追加の場合)

♂ 雄のゲノミック評価の概要

1.ゲノミック評価を実施する機関

鹿児島県肉用牛改良研究所(SNP型判定:一般社団法人家畜改良事業団)

2.ゲノミック評価対象形質

  • 枝肉6形質
    枝肉重量・ロース芯面積・バラ厚・皮下脂肪厚・歩留基準値・脂肪交雑
  • 脂肪酸組成2形質
    MUFA割合・オレイン酸割合

3.検査の種類    

  1. 枝肉6形質のみ
  2. 枝肉6形質及び脂肪酸組成2形質

*雌・雄ともにゲノミック評価に伴う検査料金は、申込時にお問合せください。

最後に

新しい育種・改良体制への移行という観点からもゲノミック評価の利用は重要であり、家畜改良事業団によれば、現在評価している形質以外についても検証や研究がされていて、今後評価する形質が増える可能性があり、一度検査しておけば、再度試料を採取することなく分析が可能とのことでしたので、今後に大いに期待したいところです。

*ゲノミック評価のお申込は下記のフォームよりお願いいたします。

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